炭カル入りゴミ袋

 炭カルとは「炭酸カルシウム」の略称です。東京都などではごみを指定された袋に入れて出すことが義務付けられています。都会のゴミは年々発熱量が上がっています。このため、燃焼カロリーを極力減らす主旨から、ゴミ袋に炭酸カルシウムを30%添加したポリエチレン袋の使用を義務付けました。
 炭カル袋は白色不透明ですが、内容物が確認出来るため、ゴミ収集作業の安全確保のも大きな成果が上がったと思われます。、また黒い袋の時代に比べて、分別ルールが守られるようになりました。
 燃焼処分されるゴミの中でゴミ袋は、どのくらいの割合を含めているのでしょうか、重量比によれば100分の1以下でしょう、そしてこの30%を炭カルに置き換えるとどれだけ温度が下がり、炉の寿命が延び、運転がしやすくなるのでしょうか。仮に100分の1の30%とすればわずか500分に1の寄与率です。この程度の熱量は炉の運転条件でカバーできます。またゴミの内容の変動の中に吸収されてしまうレベルの話です。
 この論議は炭カル添加分だけポリエチレンの使用量が減少するという話です。実際にはそうは行きません。特にフィルムの場合は無機添加物が強度を向上させる効果がほとんど無いため、ポリエチレンの量は減らせません。成形技術が低ければ使用量を増やす必要があります。一方、ポリエチレンフィルム技術の進歩により薄肉化が進んでいます。この技術を取り入れ、厚み規制をした方が発熱量規制の効果はありますし、技術開発を省資源に向ける啓蒙効果もあったと思います。
 炭酸カルシウムは石灰石や大理石を砕いた粉末です。日本では大量に生産するため、他の成形品にも添加されます。特に硬さが必要な用途に使われます。
 炭酸カルシウムは加熱すると800〜900℃で炭酸ガスを発生して石灰に変わります。この反応は吸熱反応ですから、温度制御効果があります。