道路脇の植え込みや河川敷の草むらなどに、散らばっているゴミを『散乱ゴミ』といいます。
散乱ゴミには空き缶やガラス瓶に混じって、プラスチックボトルやレジ袋などがあります。これらのゴミは、住民の美化運動などのボランティア活動で、回収・処理される事があります。しかしこれらは、家庭から出されるゴミと違って、回収システムが整っていませんから、いつまでも散らばったまま放置されがちです。 特に、プラスチックは降雨で河川に流れ込むものがあり、川や海に漂って船舶の運行を妨げるので問題になっています。国際港などの管理の行き届いた湾岸では、清掃船が浮遊ゴミを引き上げて処分していますが、かなりのゴミは漂流して湾岸に漂着し、散乱ゴミになっています。
南海の無人島で本来は美しいはずの珊瑚礁の浜辺が、漂着したガラス瓶やプラスチック等のゴミで無残な状態になっているのをテレビなどでご覧になった方も多いと思います。また、海鳥や亀、鯨などの海洋動物が間違えて食べて死んだり、大きな漂流物の塊となって漁業の障害になったりして、深刻な海洋環境問題を引き起こしています。
この様に、ゴミ処理の管理から外れて目につかなくなった散乱ゴミは、誰が回収することもなく放置されているのが現状です。中でもプラスチックゴミは、太陽光で形が崩壊するのもありますが、自然に分解して消滅することはないため、永久的に散乱したままになります。これは大きな問題です。
鯨が大量のプラスチックを飲み込んで死んだ事件を契機に、イタリア(1984年)が法令で、「ショッピングバックと包装材は回収できる紙または生分解性プラスチックでなければならない」と定めたので、すべてのプラスチック包装を禁止するものとして、世界各国の注目を集めた有名なことがありましたが、当時はまだ、生分解性プラスチックは実用化されていませんでした。その後、先進諸国では廃プラスチックの管理方法化検討され、リサイクル主体とした法律も制定され事態の改善が進んでいますが、散乱ゴミの対策は十分とはいえません。
この問題の解決策として期待されてるのが、生分解性プラスチックの実用化です。これは土中や海中に棲む微生物によって炭酸ガスと水に分解するプラスチックです。とはいっても散乱するプラスチックがすべて生分解性になるわけではありません。結局は一人一人のモラルの向上と、散乱してしまったものは海などへは流れないように回収する以外に解決の方法はないのかもしれません。
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