発泡スチロールの材料は、ポリスチレンから出来ています。小さな粒のなかにガスを封じこめてあります。これに熱を加えると、中のガスがふくらみ、もとの10倍くらいになります。この粒を金型の中で熱して、さらにふくらませます。こうして出来た発泡スチロール製品は、原料の50倍くらいにふくらんでいて、大変軽いのが特徴です。
また。一度作った形は簡単には壊れないだけの強度があります。こうした利点を活かして、発泡スチロールは、現在、食品用トレイ・緩衝用梱包材料などによく使われています。また熱をさえぎる性質か高いことから、クーラーボックスや家屋の断熱材などにも使用されています。
なかでも、発泡スチロールで作られた食品用トレイは、他のプラスチック製品との見分けがつけやすく、プラスチックゴミの中では再資源化しやすいものといえるでしょう。
大量に使われるのものなので、スーパーなどの店頭回収も増え、比較的リサイクルが身近なものになってきました。発泡スチロールのトレイは 回収 → 選別 → 洗浄 → 粉砕 → 洗浄・乾燥 → 溶融カット → 袋づめ の手順で再資源化されています。こうしてできた再生ペレットからは、再びトレイや使い捨て弁当の容器が作られています。
しかし、着色したトレイの再生ペレットには、不純物が混じっているため、再びトレイにする事はできません。そこで、植木鉢など射出成形品をつくるのに使われています。
また市場では、魚や野菜を入れる発泡スチロールの箱が、連日大量に不要になります。そこで、市場の中に発泡スチロールの処理工場を併用している所もあります。処理工場では、この発泡スチロールの箱を運びやすく減溶化 (熱で溶かして固め、もとの50分の1の体積にする) し、カセットテープ・ハンガー・玩具といった再生プラスチック製品の原料として出荷しています。あるいは、発泡スチロールを砕き、粒状にして再利用する方法をとっているところもあります。これは、土に混ぜると水はけがよくなり、地面がやわらかくなるため、運動場の地盤つくりなどに利用されたり、園芸用土壌改質材として使われたりしてます。
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